Q&A

コーヒーノートの名前の由来や焙煎へのこだわりなど、様々な疑問にお答えします。

Q1. 「コーヒーノート」という店名にはどういう意味があるのですか?

A1. 「コーヒーの香り」という意味を込めて付けた名前です。

ちなみに、note(ノート)とはワインや香水などの香りを表現するときにも使われている、とても多義的な言葉です。語源はラテン語のnotaで、「印(しるし)/性格・性質/記された文」といった意味です。
古フランス語を経由して英語に入り、現在は大きく分けて次の4つの意味に使われています。

  1. 音符/旋律・歌/鳥のさえずり
  2. (あるものの)特徴
  3. 注釈/紙幣・手形/短い手紙
  4. 傑出/名望/観察・認識/知識・情報

横道に逸れてしまいますが、
コーヒーは「心地良いリズムを刻む飲み物」と考えています。

「さぁ、コーヒー飲もう!」そう思った瞬間、
それは今までのリズムが変わるとき。

コーヒー豆を挽いて、お湯をさして、立ち昇る香りを胸一杯に吸い込んで…。
今日の天気はどんなですか?音楽は流れていますか?そばには誰がいますか?
コーヒーを飲む時って、周りすべてのものが味わいのひとつの要素になるんだと思います。

「コーヒーノート」という言葉には、それらのすべてのものごとが表わされているような気がしています。

Q2. コーヒーノートのコーヒーって、どんなコーヒーなんですか?

A2. おいしい水のように心と体にしみ込んで、あとかたもなく消え去り、幸せな気持ちになれるコーヒーです。

おいしい水を飲んで感激した経験はどなたにもあるはずです。
コーヒーノートのコーヒーも、おいしい水のようでありたいと願っています。
心と体の渇きを癒し、全身に沁み込むように行き渡って生き返るような気持ちにさせてくれるコーヒー。
”ひとくちめの印象が強い”コーヒーではなく、おいしい水と同じで、”ひとくちごとに生き返るように自分を取り戻せる”ようなコーヒーです。

存在そのものが、透明で清々しいコーヒーです。

Q3. どんな焙煎を心掛けていますか?

A3. 深くコーヒーを炒り込みません。一般的に浅〜中炒りと呼ばれる焙煎をしています。

大事なところですから、ちょっと理由をお話します。

生豆を火にかけることで焙煎は進行していきますが、ある一線を超えた途端、
「たんなる苦味の飲み物」に変わってしまいます。
この一線を超えた時に現れる独特のビターな臭気(これがコクとか甘み、と誤解さる場合が多い)によって、コーヒーのさわやかな香味はマスク(隠されてしまう)されて感じ取りにくくなるのです。

「深く焙煎してこそ、コーヒー本来の持ち味が出てくる」現在、こうした考えが大勢です。
ですから「コーヒーは濃くて苦い飲み物」というイメージがすでに定着してしまっています。
試みに、飲んでいらっしゃるコーヒーを今より薄めにいれてみて下さい。
ただ薄苦いだけの飲み物になってしまいませんか?
コーヒーノートのコーヒーは薄めれば、それだけ風味を増していきます。

コクと甘みばかりに目が向けられているきょうこの頃、なにしろ巷には深く炒ったコーヒーが溢れています。

Q4. 浅炒りばかりだと、味わいのバラエティーが狭まりませんか?

A4. 答えはノーです。

ここまでお話して来ると、たしかにコーヒーノートの焙煎は偏っていると思われるかもしれません。焙煎度合いによるバラエティーというものがほとんど、ない。
どれも似通った焙煎度合いに仕上げてありますから…。

一般的には焙煎度合いに強弱をつけて焙き分ける事が、味のバラエティーを増やす事と考えられています。

でもね、それぞれのコーヒー豆そのものがユニークでバラエティに富んだ存在なのです。
(もともと、コロンビアにはコロンビアらしさがあるし、ブラジルにはブラジルらしさがある、と考えていただければ分かってもらえると思います)そう考えれば、わざわざ焙煎度合を極端に変える必要などないのではないでしょうか?

 

そして、コーヒーノートがコーヒーに求めるものはビターな臭気に影響されない

「もともとの爽やかさ」なのです。

深炒り全盛ともいえる今日、コーヒーの持つ「爽やかさ」については、ほとんど語られていないように思います。

「コク」、「甘み」、一般に日本でコーヒー、いえ、ほとんど全ての食べもの、飲み物に求められているものは詰まる所このふたつの言葉に集約されます。だけど、こんな大雑把で単純な言葉だけでコーヒーの香味の世界を片付けて欲しくありません。

コーヒーの持つ味わいから受ける印象は、もっと爽やかで複雑で儚(はかな)いものです。

みなさんもコーヒーの味わいを表現するための語彙をもっとたくさん持っていた方が楽しいと思いませんか?

Q5. コーヒーノートのコーヒーはスペシャルティーコーヒーなの?

A5. はい。

コーヒーノートで使用している原料生豆はすべて、
スペシャルティーコーヒーです。

だけど、こんなこと殊更に胸を張って宣言するようなことではないですね。

自家焙煎という仕事をしてゆくうえで、
より価値のあるものをこの手で作り出したいと考えて
「原料生豆はすべてスペシャルティコーヒーを使っている」というだけの事です。

スペシャルティコーヒーを使用する事自体にはなんの意味もないと思います。
どんなコーヒーを作り出すか?が大切だと考えています。

原料生豆それ自体の価値が問われているのではなく、
作り出しているコーヒーの価値が問題なんです。

Q6. スペシャルティーコーヒーって何のことかわかりません…。

A6. 「栽培地の風土特性に由来する際立った風味・特徴を備えたコーヒー」です。
(たんに栽培地、農園、栽培品種などが明確になっているコーヒーを指すのではありません)

スペシャルティコーヒーに対して、どこが、どのように素晴らしいのか?
を客観的かつ具体的に評価してゆく運動は、生産者から消費者まで
「コーヒーのおいしさ」に対する共通の価値観を持つ事を目指しています。

「コーヒーのおいしさ」が正当に評価されることで、生産者に品質の向上を目指そうとする文化を育み、消費者にとっても、おいしいコーヒーに出会うチャンスが増える、という好循環が実現します。

※スペシャルティコーヒーについての世界統一の定義はまだ固まっていません。

Q7. コーヒーの名前がそれぞれオリジナルですね〜!

A7. そうなんです。
コーヒーにオリジナルの商品名を付けています。

お店で生産国プラス農園名で販売されているのは、よくお見かけになると思いますが、コーヒーノートでは、それぞれのコーヒーにもっとふさわしい、より親しみやすい商品名を考えて付けています。

その方がコーヒーを選ぶ時の楽しみも増すのではないでしょうか。

「なんで、こんな名前が付いてるの?」お客様から質問を頂くこともあります。
例えば、以前販売していたルワンダのコーヒー。商品名は「蘇ったルワンダ」
これだけだとなんのこっちゃ?ですが、悲惨な内戦を経て、経済的にも蘇りつつあるこの国の背景を併せて伝えることで、お客様の中でいつもと違う味わい方が生まれるかもしれません。

具体的な味わいや情景が想像できたり、面白そう、と思っていただけるような名前を付けるのは楽しいです。

Q8. 豆がシワシワしていて美味しくなさそう!

A8. シワシワにはちゃんと理由があります。

ひとつめの理由は、豆質によるものです。
ガッチリ硬めの生豆は焙煎してもシワが残りやすい傾向があります。
ふたつめの理由は、焙煎度合によるものです。
浅い焙煎では深い焙煎に比べてシワが残りやすくなります。

スペシャルティコーヒーは硬い生豆が多く、おまけにコーヒーノートでは浅い焙煎しかしませんので、コーヒー豆は(他所に比べて多少、)シワシワしています。

シワシワのコーヒー豆は「うまく焙煎できてない、下手っぴ。飲んでも旨くない」って信じられたりしています。
だけど私は、焙煎の巧拙や味わいをシワで判別できるとは思っていません。

見面だけを良くしたいなら、上に掲げた理由とは逆の事をすればいい訳です。(まぁ、それ以外にもありますが…) でも、これでは見た目を良くするための焙煎になって、おいしいコーヒーを作るための焙煎ではなくなってしまいます。

おしまいに、しわについて以前お客さんと交わしたやりとりを紹介します。

「しわ、しわしわを作る。昔、確か詩人の吉増剛造さんが、詩をつくる際の秘訣だよ、と言っていたのを想い出しました」

「単純なシワシワでなく、言葉でしわしわを作る。
しわしわにいろいろな意味合いが畳み込まれている。
わかる人には、わかるし、表面しか捉えられない人にはただのしわ。そこに畳み込まれ、含まれているものには気付かない。

その詩人さんが言いたいのはそう云う事?
それなら、私自身もコーヒーにわざわざ「しわ」を作ろうとしているのかも」

 

Q9. 「焙煎はコロンビアに始まり、コロンビアに終わる」って、なぜ?

A9. 焙煎の目安はつけ易いけれど、ほんのわずかの加減で味わいが大きく変化してしまう、奥行きの深い豆だからです。

ここには「焙煎士の腕次第で如何様にも、味わいがコントロール出来る=焙煎士の技術レベルを表わす物差しになる」という意味も含まれています。

ほとんどの焙煎士が「初めて焙煎したコーヒーはコロンビア」と答えると思います。
プロ向けの焙煎講座ですら、コロンビアが教材として使用される位ですから、基本中の基本のコーヒーである事は間違いありません。

まさにコーヒー焙煎の原点とも言えるコーヒー豆がコロンビアなのです。

ジャズに例えれば「サキ・コロ」。
ソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」。「初心者はまず、これ聴け!」って事です。ジャズ鑑賞にも少しは年季が入ってきたのに今更サキ・コロなんて初心者みたいで気恥ずかしい、なんて思ってみても、あらためて聴き返すとやっぱり、いい。
コロンビアも、そう。

私が初めて手にしたジャズアルバムもサキ・コロだったし、初めて焙煎したコーヒー豆もコロンビアでした。

まぁ、時代の移ろいと共にこんな話は通用しなくなるかも知れませんけど…。

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