
ラミーの種子です
先日、日本アイアイ・ファンドから島先生が現地で撮影に成功したアイアイの映像のDVDと、アイアイが食べたラミーの種子の標本が送られて来ました。
ラミーはマダガスカルに自生する大木で、アイアイはこの木の実の種子を主食としています。
(ちなみにラミーの果実は石果(せきか)と呼ばれます。モモとかもそう)
果実は食べずに吐き捨てて、
分厚くて堅く、継ぎ目のない種子の中に詰まっているクルミのような胚乳だけを器用に取り出して食べます。
ラミーの種子は3つの部屋に分かれていて、大きな胚乳が詰まっているのはそのうちの2つだけ。その2つの部屋を探り当て、堅い種子を削り開け、胚乳を掻き出して食べるために、コウモリのような大きな耳、左右が別々に動く鋭い切歯、細くて長い中指を備えています。
写真のラミーの種子の殻には小さな孔が開けられています。この断面の様子が左右で違っています。
右側はガリガリと削ったような跡がありますが、左側はパカッと割ったようになっています。
アイアイはまず、片側どちらかの切歯でもって堅い種子を削ってゆき、最後は歯を左右揃えて削り目に当てて力を込めて殻をパカッと割り開けるために、断面はこのようになります。
アイアイの主食がラミーの種子であること、そしてアイアイの特別な形がこの主食の食べ方に関係している事を発見したのが島先生です。
この種子の食べ痕にはアイアイの生態が文字通り、はっきりと刻まれているのです。
アイアイの特別な形と主食の関係の謎を解くこの種子を島先生は「賢者の石」と呼んでいらっしゃいます。
この種子が遠く離れた南の森のおさるさんが実際に手に取り、口にした物なのだと実感するにつけ、マダガスカルの森に思いを馳せずにはいられません…。
きっと、ラミーの大木の下にはアイアイの落とした種子が転がっているのでしょう。
いつまでもそうであって欲しいと思います。
マダガスカルの混乱によって、いくつかの自然保護区では組織的な略奪が行なわれ、貴重な森林資源やレムールをはじめとする野生動物が絶滅の危機に瀕しているというニュースが流れています。
現地の人びと、野生の生き物たちに一日も早く平穏な日々が訪れる事を願っています。
ゴールデンウィーク頃に上野動物園「マダガスカル館」が公開されるそうです。
もう一度アイアイやマダガスカルトキに会いに出掛けたいと思っています。

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