お客さんで、カメラマンの鈴木朝子ちゃんが撮ってくれたポートレイトです。
とてもいい写真で、気に入っています。
キッチン脇に猫の写真と一緒に貼付けて毎日眺めています。
(ナルシスではないですよ!)
彼女はライカというドイツ製のカメラを使っています。
デジタルでなく、ポジフィルム撮影です。
デジタル撮影して、紙にインクを吹き付けて印刷された画像と、
化学変化で印画紙に浮き出る像とでは、厚みが全然違います。
その決定的な違いは像の乗り方、すなわち「コク」であると思います。
ライカといえば、いにしえよりの名機。
工芸品とも言える造りとともに、そのレンズの描写力はプロ・アマを問わず高い評価を得ています。
あまりに高価で私は触れた事すらありませんし、その描写力の真価も今まで実感出来ずにいました。
このたび、それを自分のポートレイトで思い知らされました。
ピントは私の顔に合わせてあります。
暗い店内の夕方ですから、おそらく開放か一段絞った程度です。
写真ですから二次元なんだけれども、物凄く立体的に描写されています。
それがボケながら立体感が表現されているというか、臨場感満点。
自分の顔見て言ってるんですから、お目出度い話ではありますが、
カリッ、とせずに柔らかに、ピリッとした描写が出来るのは凄いと思います。
(写真をクリックしてもらうと、もう少し大きく表示されます。よくご覧になって下さい)
レンズの性能って、ある程度数値で表現する事も可能らしいですけれども、
おそらく数値だけで語れぬ「味」というものがあるのでしょう。
アナログというのは本当に奥深いものですね。
私はコーヒーの仕事を始める前までデジタル回路設計の技術者でしたが、
アナログ回路設計はほとんど出来ませんでした。
数学のセンスと長年に亘る経験がなければ絶対に出来ない分野です。
アナログ回路設計技術というのは、芸術的で美しく、ほとんどもう職人さんの世界です。
私自身、デジタル回路設計では、それなりにきれいな設計をしてきたと思っていますが、それでもアナログの足元にも及びません。
デジタル技術は安価で安易ですけれども、最終的に物事の本質には到達出来ないと思います。
言葉や数値では表現出来ない「ものごとの本質」へのアプローチはアナログにしか出来ないと思います。
ごく身近な例としては、デジカメとフィルムカメラ、CDとレコードの違いと言えます。
だからこそ、手仕事は尊いのです。
現代ではほとんど見向きもされませんけれども..。
焙煎の仕事もアナログであると、つくづく感じます。
そういう意味では、私もアナログ技術者です。
デジタルからアナログへと転身した私ですが、これで良かったのだと思っています。

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