私が子ども時代を過ごした、滋賀の田舎には地蔵盆という風習がありました。
正確な日取りは忘れましたけれども、確か夏休みも終わる頃、
8月の23、24日前後の3日間くらいに亘って行われていました。
子供のお祭りみたいなものですが、期間中は子どもたちの手で
路傍や辻に祀られているお地蔵さんの守りをするのです。
私の田舎では、町内の小学生の子供たちが一同に集められ、
いちきょうだいにつき、一体の石の地蔵さんがあてがわれます。
お地蔵さんの前にゴザを敷き、お供えの入った餅舟を置きます。
餅舟には、木枠に半紙を巻いて、落雁を飯粒で貼付けた(後で食べられるように)もの、その他、お供えのお菓子や、野菜、果物などが入っています。
そしてローソクに火を灯し、お線香を焚きます。
そうして、後はただもう地蔵さんのそばで遊ぶだけ。
川遊びをしたり、火を使って遊んだり、カブト虫採ったり、楽しかったなぁ。
期間中は夕食後も、浴衣を着て集まり、花火やら盆おどりやらが行われます。
木枠に半紙を貼った手作りの行灯にも火を灯します。
行灯は3方に半紙が貼ってあり、それぞれの面のうち、
1面には「家内安全」とか親が筆で書いたもの、
残りの2面には子どもらが思い思いにテレビのヒーローなどを描いたものを貼り付けていました。ここに何の絵を書こうかと迷ったものです。
あまり娯楽のない田舎町の事でしたから、
毎日解放される小学校のプールと並び、子供たちの夏休みの楽しみのひとつでした。
私は特に、火を使って遊べる(遊んでいいとは言われてないですが)のがうれしかった。
当時は¥100ライターではなく、マッチを擦って火を付けていましたが、
このマッチの軸にブドウを一粒さして、ローソクの火で炙った「焼きブドウ」。
煤で真っ黒になって皮がはじけるまで焼くんですが、「あつっ、あつっ」なんて言って頬張ったあの味…。今でも思い出す事ができますよ。
余談になりますが、空き缶の一方の底を抜き、火のついたローソクの上に伏せてブドウを「鉄板焼き」にするのは、特に上品なやり方とされ、女子は専らこうしてました。
ほかにも、マッチの軸を集めて櫓状に組んで大きな火をおこして騒いだり、
欠けた駄温鉢を逆さにして、枯れ草を敷き込み、火をつけて、
川で捕まえた鮎とか、ザリガニとかを入れて生きたまま焼いたりもしました。
(もう、「お盆」ではなく「殺生」です)
楽しかった地蔵盆が終わるといよいよ、
手つかずのままの宿題をどうにかしなければならなくなり、
今まで遊び呆けていた自分を呪うのでした。
あの地蔵盆、今でもやってるのかな、子供たちいるのかな?
田舎に残っているかつての私の同級生たちにも、
小学生くらいの子どもがいるはずだけど。
世話する大人はいるのかな?
ずいぶん、事情が変わっただろうと思います。
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