じっさいに取材をはじめてみて、焙煎技術そのものに関する話題というのは結局ほとんど出なかったです。焙煎方法は、ひとそれぞれに考案し、体得したものであって、誰にもかれにも同じやり方が当て嵌められるようなものではない、ということは焙煎士共通の認識で、私自身もよく分かっていましたから。
取材に訪れた店でコーヒーを飲みつつ、話しを伺っていくうち、店主がどんな気持ちで日々、焙煎に取り組んでいるのか?このコーヒーの味わいが、店主のどんな経験や哲学から生み出されたものなのか?が、よく分かりました。
焙煎士ひとりひとりに、理想とするコーヒーがあり、そこに辿り着こうと努力しています。
そして、まだ誰一人として、その地点には到達していないのです。
もしくは、到達しても、さらに先の目標が見えてくる…。
いつまでたっても理想を追い続けることが、モノを作るということの本質なのかも知れません。
そんな生き方の中で、やがて見えてくるもの…。
それはコーヒーそのものの本質というよりは、
この仕事に身も心も捧げた自分自身というものなのかも知れません。
(ちょっと、カッコつけすぎ…)
多くの焙煎士を訪ねて、コーヒーもたくさん試飲しました。
そのうえで、私自身が最も強く感じたこと、
それは「自分が作ったコーヒーが一番愛しい」ということでした。
まだまだ至らぬ私のコーヒー、それでもいつか「もっともっと、おいしくなるはず」と思い込む事ができたのです。
「なんとかなるぞ、きっと!!」って希望が持てるんです。
あと一回でまとめます。
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