雑誌「カフェ&レストラン」の原稿を書いています。
普段ですと、他所の自家焙煎店に取材するのですけれどもこのたびは、私自身の修業時代の話が中心になってます。
先日も書き込みましたけれども、今どき自家焙煎店を開業するのにわざわざ修業までする人って、あまりいらっしゃらないと思います。
一般的には、繁盛していて考えがしっかりしたお店(そういうお店でないとダメです)の信頼できる指導者のもとで一定期間、技術面・メンタル面のトレーニングを受けたり、開業指導を受けるということが多いみたいです。
時間もお金も勿体ないですから、今なら私でさえそうすると思います。
修業はいらないかも?と考えるもうひとつの理由というのは、
私が修業をはじめた10年前と現在ではコーヒーを取り巻く環境が変化したからです。
原料であるコーヒーそのものの世界がとても分かり易いものになりました。
昔のように主観的な「おいしい」「おいしくない」ではなくて、
現在のコーヒー豆は客観的にかつ公正に、しかも生産地から消費地まで世界標準の尺度でもって「悪い」「良い」「素晴らしい!」「具体的にどこが素晴らしい!か」を評価することができるようになりつつあります。そのための手法も公開されています。
こうした運動は「スペシャルティーコーヒー」や「カップオブエクセレンス」という言葉で語られています。
素晴らしい生豆を原料に、自然に焙煎すればおいしいコーヒーが作れます。
「自然に焙煎」と単純にいいましても、
こうした生豆は旧来のものとは、焙煎の方法も違ってきます。
すでに公開されているような昔のままの焙煎方法ではうまくいかないです。
こうした点についても、きちんとした指導者の方ならていねいに伝えてくださると思います。
コーヒーが分かりにくかった時代からこの世界に入り、そしてコーヒーの世界がどんどんすばらしいものへと変化してゆくのを目の当たりにしてきました。当時の私の師はそうした運動を起こした先駆者のひとりでした。その下で働いてきたことで師の理想や理念、そういったものを私なりに解釈して引き継いでいます。この仕事を選んだ当初よりも、修業を通して、さらに強い動機付けができたということです。
これが修業で得た、もっとも大きなものなのかも知れません。
指導者もなにもなく、たったひとりで何もかも手探りで始めて、本質を掴み、店を成功させ、指導者としても活躍されている同業者の方もいらっしゃいます。
もとから、強い意志と強い動機を持っていらっしゃったのだと思います。
自分自身を信じ続けられる人なんでしょうね。すごいことだと思います。
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