ゆうべに続いて、ジャズのお話しです。
こういう話しは、している本人ばかりが楽しくって、周囲はしらけてしまうものです。
だけど、もう少しくらい語らせてもらってもいいかな?と思いまして…。
私にとって、ジャズの魅力はリズムの面白さです。
思わず身体全体が動き出してしまいそうな、音楽が前へ前へ、と進んでいく疾走感。
音楽って、時間的な芸術だと思います。
音がこの世に生まれ出た瞬間には、もう消え去ってしまいます。
それを、記録に留めたものがレコードになる訳です。
一般的に、ひとつの曲を何遍も練習していけば演奏そのものの完成度はあがるでしょう。
ジャズの場合は、これとは正反対に音が生まれ出る瞬間の喜び、生々しさを追求しています。
これが、「アドリブ」または「インプロヴィゼーション」と言われるものです。
演奏者は、曲の進行についてのごく簡単な約束事を決めておき、その瞬間、瞬間を即興的に演奏します。ふつう、曲の最初と最後に演奏者全員の合奏が配置され、途中は各プレイヤーがソロ演奏します。「つぎ、おまえの番」という感じでバトンを渡されたプレイヤーは全身全霊を込めて演奏します。だから、同じメンバーが同じ曲を演奏しても、ひとつとして同じ演奏は存在しないのです。
他の音楽でもそうでしょうが、プレイヤーは相当に消耗するようです。
瞬間のひらめきに全てをかけて演奏するのですから。
「より精神的な高みに登り詰めるため」麻薬に浸るプレイヤーが多いそうです。
永年アメリカで暮らしていた人から聞いた話しなんですが、マリファナなどの麻薬は、音がより研ぎ澄まされて聞こえるんだそうです。心の底からシビレルらしいです。
歴史的な名演を残して、麻薬中毒で生涯を終えるプレーヤーはたくさんいます。
ちょっと、暗い話しになりましたね。
私が大好きなピアニストが二人いますので、語らせていただきます。
ひとりは、「セロニアス・モンク」。
常識を踏み外したというか、本当に自由な音楽です。
型にはまらない、落語家でいうと古今亭志ん生みたいな人です。
もうひとりは、「ウイントン・ケリー」。
軽やかで、この人の演奏を聴いているだけで本当にハッピーな気分になります。
彼のリーダー作ではなく、伴奏者として参加しているアルバムで、
ブルー・ミッチェルというトランペッターの「ブルース・ムーズ」というアルバムがあります。
このアルバムの一曲目「アイル・クローズ・マイ・アイズ」という曲でのウイントン・ケリーの
演奏は、私が一番好きな演奏です。
この曲での彼のソロ演奏は幸福感に満ち溢れていて、何度聞いても涙が出そうになるほどです。
機会がありましたら、ぜひお聴きになってみてください。

横浜には1933年にオープンした「千種」というJazz Cafeがあります。60年代には多くの客が足を運びましたが最近のカラオケブーム等に勝てず近くj閉店すると聞きました。膨大な数のレコードの行方は気になりますが、きっとファン達の手に渡るでしょうね。戦前この店を始めた吉野さんの妹、吉野たか子さんが77歳で、経営に困って決断せざるをえませんでした。。時代の流れと趣味の変化には勝てません。