店にいるとき、音楽を聴くことはあんまりありません。
だいたい、焙煎機が「がおん、がおん」とうるさい音をたてますんで、
端で音楽が鳴っていると、いらいらしてくるんです。
たまに聴くときも、あまりジャンルにはこだわりません。
民謡とか好きで、店でも聴きたいんですけれど、嫁さんに
「雰囲気がおかしくなる。趣味の押し売りみたいなことはやめときぃ」
ときつく言われてますので聴けません。
それで、クラッシックとかジャズとかを聴きます。
いかにも喫茶店っぽいですねぇ。
でも、もともとどちらも大好きですから。
お気に入りのジャズのプレイヤーの話しなんかを始めるとけっこう止まらなくなるときがあります。
家から適当にCDを持ってきて聴いてるだけなんですけれども、今日はたまたま、クラッシックの日でした。盤を替えることはめったになく、朝から晩まで一枚のCDをかけっぱなしです。
曲目は、
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調、Op.26
(チョン・キョンファ、指揮ルドルフ・ケンペ、ロンドン響、1972録音)
そんなに、気になる曲ではないですけれども、一日中聴いていますと、いろいろ”発見”するものですね。
第1楽章がすごくドラマチックなので、そこしか聴いていなかったのですが、
最終楽章のお終いの部分がものすごい幸福感に満ち溢れていて感動的でした。
音楽も、絵画も、その他の芸術も、言葉ではない別の何かで人の心を揺さぶるものなんですね。
言葉に置き換えられるようなものだったら、意味無いですものね。
文学との違い、ってここにあるんでしょうか?
今のところ、私が一番好きなヴァイオリン協奏曲は
アルバン・ベルク(1885-1935)のヴァイオリン協奏曲です。
副題は、「ひとりの天使の思い出のために」
私には音楽的な素養というのはないんですけれど、それでも、ちょっと普通とは違う作曲の技法を使っているように思います。
五嶋みどりさん(海外ではMIDORI)が「こんな曲、弾けない」とお母さんに泣きついた、みたいな話しを本で読んだ事があります。
一人の少女の死、そして間もなく訪れる自分自身の死がこの曲の下敷きになっているそうです。
たしか、作曲者自身のレクイエムとなってしまった曲です。
なんだかもう、救いのないような曲なんですが、冒頭と、一番最後に登場する動機(ベートーベンの”運命”で言うところのダ・ダ・ダ・ダーン、ですね)がすごく印象的で、どういう訳だか、私はこの動機を聴くだけで、全身に鳥肌が立つのです。
その他、好きなヴァイオリン協奏曲はショスタコーヴィッチの第2番です。
第1番ともども、悪魔みたいな音楽です。
一応、予防線張っておきますが、私本当に音楽のことよくわかってないですからね!!

私はシベリウスがとても好きです。淡い光に彩られた晩秋の森に漂うひややかな情景を創造します。文学や他の芸術と異なって、
音楽というのはいってみれば「純粋な形式」ですね。(また五月蝿い口を挟んで申し訳ありません)。